2017年05月01日

わくわくさせる馬

春の天皇賞はキタサンブラックにもサトノダイヤモンドにも◎を打たなかった。
「強いから好き」という感情を心から抱ける馬というのは、そうそう出会えるものではない。
どちらもひと目見ただけでとてもいい馬なのは分かるし、実際に強いのは戦績を見れば分かる。

しかし、だ。
「ここにオルフェーヴルやディープインパクト、ナリタブライアンがいたら?」という穿った見方をしてしまう自分がいる。
先日のドバイワールドカップでアロゲートが絶体絶命の状況から見せた、暴君のような強さ。
98年の毎日王冠でサイレンススズカがエルコンドルパサーとグラスワンダー相手に真っ向から受けた際に見せた、天馬のような疾さ。
今トレセンにいる馬の中で一番強いというだけであって、それらと比肩しうる質の強さではないと、私は感じた(あくまでも個人的な感想だ)。

今年になって競馬を見始めた人たちにとっては、キタサンブラックやサトノダイヤモンドがある意味一つの"基準点"になりうるのだと思うと、
「もっと強い馬もいたよ」と余計なひと言をかけたくなる、そんな己の意地の悪さが嫌になる。
だからこそ、心底強いと思った馬以外に対して、馬の強さはなるべく論じたくない。

ああ、ドゥラメンテがまだ現役ならなぁ。

[Air Groove]:冠名+「わくわくさせる」
posted by Lion at 01:27 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月08日

雨の淀

私は雨の淀が好きだ。

第51回、シンザン記念。
雨の京都競馬場で、単勝27.4倍の8番人気馬キョウヘイと高倉稜騎手が人気薄ながらも重賞を制した。

報道記事のレース写真を見た私は、1267日ぶりの重賞勝利となった高倉騎手の歓びを爆発させている様子に胸が熱くなった。

高倉騎手はデビュー1年目から37勝の勝ち星を挙げ、JRA賞最多勝利新人騎手と中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞した。
減量を活かした思い切りのいい逃げっぷりに、馬券で何度もお世話になったので当時のことは今でもよく覚えている。
デビュー2年目は乗鞍も増え、前年を上回る40勝を挙げた高倉騎手。一見、彼の将来は前途洋々かと思われたが…
その後、高倉騎手の成績は徐々に下降する。

高倉騎手の年度別勝ち数
1年目:37勝
2年目:40勝
3年目:29勝
4年目:32勝
5年目:14勝
6年目:13勝
7年目:15勝

デビュー間もない新人騎手に対しては、救済措置として斤量減の恩恵がある。

特に30勝以下騎手の斤量3キロ減というのはかなり強力なハンデキャップで、その強みをフルに活用して勝ち星を積み上げていた印象のある高倉騎手。
2年目の夏ごろからガムシャラに前に行くシーンが目に見えて減って、そのぶん「あれっ?」と思うことがたいへん多くなった記憶がある。
この年の高倉騎手は1〜3月は12勝、4〜6月は13勝を挙げたのにもかかわらず、7〜9月はわずか3勝。勝率も極端に落ち込んでいた。
その頃の対談取材記事を紹介したい。

以下、上記記事より引用
>東 :前回のインタビューで、「スタートを上手く決めて、なるべく目立つような乗り方をしたい」ということでしたが、それはどうですか? 出来るようになってきましたか?
>高倉 :それが、最近はあまりハナに行かなくなりました。消極的に乗っているわけではないんですけどね。減量も落ちて、がむしゃらに前に行くだけだと馬も大変ですし。
>東 :そうですよね。減量はこれから取れるものですしね。
>高倉 :はい。減量が取れたら平場も特別と一緒の斤量になりますので、そこを意識しています。そう考えるようになったのは、今年の春くらいですかね。自分の中でだんだんと変わってきたかなというのはあって。以前は、前に行くだけ行ってというレースが多かったんですけど、今ではだいぶ後ろからでも競馬をするようになってきています。

高倉騎手は目先の勝利より先を見据えていたのだ。
その翌年の2012年6月23日に米子ステークスで騎乗したフラガラッハでオープン勝ちを果たし、返す刀で2012年7月22日に行われたGIII中京記念も制する。
翌年の2013年1月13日には未勝利戦以来10ヶ月ぶりに騎乗したカポーティスターでGII日経新春杯も制覇。
高倉騎手が憧れの存在としてよく名を挙げる岩田康誠騎手を彷彿とさせるイン突きによる好騎乗だった。
カポーティスターの単勝馬券を握っていた私は馬券の的中と高倉騎手のGII制覇を大いに歓んだのを覚えている。
同年7月21日にはお手馬となっていたフラガラッハで中京記念の連覇を達成するなど、勝ち星こそ減っていても濃い内容の騎手生活を送っているように感じた。

騎手デビュー3年目には100勝を達成し、斤量減もなくなっている高倉騎手。
ミルコ・デムーロ騎手やクリストフ・ルメール騎手のJRA免許取得や後輩の減量騎手といった強力なライバルの存在もあり、ここ数年勝ち星が減少している。
近頃は存在感を感じる機会も減っていただけに、シンザン記念で久々の重賞勝利シーンを見た私はとても幸せな気持ちで満たされた。


ところで、三冠馬ナリタブライアンの鞍上として知られる南井克巳元騎手(現調教師)は、
1979年12月23日の阪神大賞典(ファインドラゴン)から931日間重賞勝利がなかったのをご存知だろうか。
1982年7月11日に金鯱賞(テルノホープ)を制した後の輝かしい成績は以下の通り。

まだ幼いころ、阪神競馬場に併設されている公園で遊んでいた私はそこで当時の最強馬「ナリタブライアン」の名を知った。
ナリタブライアンは私がはじめて名前を覚えたサラブレッドで、
漆黒の馬体に真っ白なシャドーロール、身体を沈み込ませてチーターのように走り、一瞬にして他馬を抜き去る。
走るのが好きな名馬と、その背の上にいつも跨っていた男の姿を今でも愛している。

なぜナリタブライアンと南井克巳の話をしたかというと、
今からおよそ22年前、
きょうと同じ雨天の京都競馬場で、
ナリタブライアンと南井克巳騎手がクラシック三冠を達成して勝ち鬨(かちどき)を挙げる瞬間の姿を、
きょうのキョウヘイと高倉稜騎手の勝ち鬨を挙げる姿から連想したからだ。

あの頃も今も、私は雨の淀が好きだ。
posted by Lion at 19:53 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月13日

ウチパクスペシャルとは

ブログ読者の皆さん、ご無沙汰しております。

突然ですが、「ウチパクスペシャル(勝手に命名)」についてご存知ですか?

簡単に説明すると、
・内田博幸騎手が
・過去に行き足があまりつかず微妙にポジションが取れなかった差し馬を
・いきなり無理やり先行させて、叩き合いに持ち込んでそのまま押し切る


戦法のことです。

今年で言えば5月30日の薫風Sなどが典型でしょうか。
著作権の関係で動画を貼れないので、一度JRA公式ページから動画を見てみてください。
過去4走後方から追い込む競馬をしていたシンキングマシーンを、
テン乗りで突然先行させ12番人気ながら見事勝利させています。

今年の内田博幸騎手は1〜3月の不調もあり、
全体成績は640戦して55-57-58-470(勝率8.6%、連対率17.5%、複勝率26.6%)【単回68 複回75】
と、およそ控除率以下の数値です。

ですが、逃げ先行馬に限定すると状況が一変します。

◆脚質上り別集計
集計期間:2015. 1. 4 〜 2015.10. 4
全体
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脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
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平地・逃げ 447- 324- 249- 1651/ 2671 16.7% 28.9% 38.2% 173 139
平地・先行 1156- 1144- 994- 5600/ 8894 13.0% 25.9% 37.0% 122 121
平地・中団 709- 805- 945-11318/13777 5.1% 11.0% 17.8% 60 64
平地・後方 181- 227- 317-10578/11303 1.6% 3.6% 6.4% 23 28
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内田博幸騎手
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脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
-------------------------------------------------------------------
平地・逃げ 14- 9- 5- 22/ 50 28.0% 46.0% 56.0% 321 152
平地・先行 28- 32- 27- 97/184 15.2% 32.6% 47.3% 96 113
平地・中団 11- 10- 22-188/231 4.8% 9.1% 18.6% 37 65
平地・後方 1- 5- 4-158/168 0.6% 3.6% 6.0% 4 22
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全体より優秀な部分を赤字、全体以下の成績の部分を青字にしています。

前に行く時は買い、差し追い込みの時は消し。
これは馬券の鉄則ですが内田騎手の場合は特に顕著と言えるでしょう。


ここからは私見丸出しになるので参考程度にとどめて頂きたいのですが、
・内田騎手はポジション取りの意識が高く先行を強気に試みる
・良い意味で諦めが悪く、先行争いが激しくても譲らない
・馬を真っ直ぐ走らせる事、バテかかった馬を保たせる技術に優れていて一旦先頭に立つとしぶとい

といった印象があります。

今関東所属で最も人気馬に騎乗しているのは戸崎騎手ですが、
内田騎手と戸崎騎手は同じ騎乗依頼仲介者(エージェント)です。
エージェントが人気馬を戸崎騎手に回してて、そのぶん割を食っている可能性があります。
弱い馬で差し追い込みの競馬をして勝つのは難しいですから、逃げ先行に活路を見出したいといったところでしょう。
内田騎手の積極策は、馬券を買う身としてはとてもありがたい事ですね。


コースでいうと、東京ダート1400mが一番のオススメです。
今年の成績は以下のとおり。
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コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値 単適回値 平均着 平人気
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東京・ダ1400 7- 3- 9-16/35 20.0% 28.6% 54.3% 193 186 167.7 5.8着 6.0人
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・スタートからゴールまで芝を一切走らないこと(芝でダッシュがつかない馬の不利がなくなる)
・コースが広い為騎手の意識が後ろに向きやすく、前にいる優位性が大きいこと

などが好走の要因だと私は考えています。
東京開催はまだまだ続きますから、ダート1400mではウチパクスペシャルに注目してみてください。

以上、ご拝読いただきありがとうございました。
posted by Lion at 02:44 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする