2013年10月06日

歴史的瞬間がすぐそこまで来ているからこそ、オルフェーヴルの強さの源について考えてみよう

おはようございます。凱旋門賞の発走まであと半日、
目下最大のライバルとされていたノヴェリストの取消により、
悲願の日本馬による凱旋門賞制覇はより一層近づいたと言っていいでしょう。
勿論競馬ですから、絶対は無いのですが、オルフェーヴルには絶対があると私は信じています(キズナファンの皆さんごめんなさい)。

前哨戦フォワ賞の鮮やかな勝ち方を見るに、5歳秋にしていよいよオルフェーヴルは競走馬として完成の域に達したと言えるでしょう。
3歳で3冠+有馬勝ちを達成したとはいえ、あの頃のオルフェーヴルはまだ成長途上でした。
とんでもない馬ですね^^;

オルフェーヴルの5代血統表を見ると、5代内にあるクロスはノーザンテーストの4x3のみです。
ステイゴールド×メジロマックイーンの配合の素晴らしさについては既に他の方々が散々考察されていますし、今更語る事もないでしょう。
今回、この記事ではあえてその部分ではなく、当馬の持つノーザンテーストの4x3クロスが与える影響について、
私の拙い知識と文章ではありますが、一生懸命語らせて頂ければと思います。

まずは、軽くノーザンテーストという馬について触れさせて頂きます。
ノーザンテーストはカナダで生産され、故・吉田善哉氏の指示のもと、現社台ファーム代表である吉田照哉氏によってアメリカのセリで買い付けられ、
フランスとイギリスで競争生活を送ったのち、日本に種牡馬として輸入されて来ました。
そして種牡馬として大成功し、1982年〜1993年の11年で10度リーディングサイアーに輝きました。
ノーザンテーストは産駒に大舞台での底力、そして古馬になっても衰えない成長力を伝えました。
「ノーザンテーストの産駒は3回成長する」という格言がありますが、この底力と成長力はどこに由来するものなのでしょうか。

ノーザンテーストの母母Lady Angelaは繁殖牝馬としてNearctic(カナダ年度代表馬、Northern Dancerの父)を、また孫としてそのNorthernDancerを輩出した紛うことなき名牝です。
ここで、ノーザンテーストの5代血統表を見てみましょう。こちら
ご覧の通り、ノーザンテーストは5代血統表内にLady Angelaの3x2という非常に濃いクロスを持っています。
Lady Angelaらしさがオンになってるからこそ、ノーザンテーストは成功した、と見るのが自然でしょう。

では、そのLady Angelaらしさとは何なのでしょうか。
Lady Angelaの父はHyperionで、Hyperionは1940年〜1954年の15年間で英リーディングサイアーを6度獲得しています。
Hyperionの母Seleneは現役時代22戦16勝、繁殖牝馬としてはHyperionの他にもSickle、Pharamond、Night Shiftなど活躍馬を多数輩出した名牝中の名牝で、そのSeleneとGainsborough(イギリスクラシック三冠馬)の間に生まれたのがHyperionなのです。
Hyperionは母Seleneによく似た、とても小柄なステイヤーだったそうです。

「稀代のネット血統論客」と評された団亭鞘次郎氏のWebページ、「不世出の名花」 ローズィレジェンド Rosy Legend
より引用させて頂くと…
「子馬の心臓のサイズに与える影響は、父馬よりも母馬のほうが大きく、父馬の影響は息子よりも娘のほうが大きい。したがって、馬の心臓の容量はX染色体による伴性遺伝に依存する」
「X染色体の方は、父(XY)から娘(XX)へ、あるいは母(XX)から(50%の確率で)息子(XY)および娘(XX)へ、という径路で伝えられることが知られています」とあります。

つまり、LadyangelaはHyperionのステイヤーとして優れた心臓を受け継ぎ、それを子孫達へ伝えたと考えられます。
そのLady Angelaの濃いクロスを持つノーザンテーストもとても小柄で、Hyperionらしさ、Seleneらしさがよく伝えられており、また、産駒にもその「らしさ」を伝えたからこそ、種牡馬として成功したのです。

オルフェーヴルの父ステイゴールドの叔父(ステイゴールドの母ゴールデンサッシュの全きょうだい)、
サッカーボーイも450kg前後の決して大柄とは言えない馬でしたが、卓越したスピードの持続力を武器に競走馬としても種牡馬としても大活躍を収めました。
昭和63年に函館競馬場芝2000mで叩きだされた1:57.8というレコードは、それから25年経っても未だに更新されていません。
このレコードを配合面から考察するにおいて、ノーザンテーストの影響無しには語る事は不可能でしょう。
さて、そのサッカーボーイの全姉とサンデーサイレンスの間に生まれたのが皆さんご存知ステイゴールドです。
ステイゴールドも母系通りの小柄な馬で、善戦マンとして現役時代からファンの多い馬でしたが、海外の柔らかくスタミナを求められる馬場では能力をフルに発揮する事ができ、ドバイシーマクラシック、香港ヴァーズと2つのビッグレースを制しました。
7歳までタフに50戦ものレースを走り続け、大きな怪我も無く引退レースまで衰えを見せなかったのは、やはりノーザンテーストの影響が強かったと考えられるでしょう。

さてさて、そろそろまとめに入らせて頂きます。
我らが望田師匠のブログのこちらの記事より引用させて頂くと、
天皇賞・春回顧〜うまくいかなかったときも、背中ポンポンで帰路に着こう - 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog
「ようするにステイゴールドの大物は、(1)母父メジロマックイーンでノーザンテーストの(ニアリー)クロス、(2)母系にデインヒルで母がRibotのクロス、この2パターンしかないわけですが、それは突き詰めればノーザンテーストの頑強さを増幅していることに他ならず、Lady Angelaの血を増幅していることに他ならないのである…という、毎度おなじみの口上で締めたいと思います」

とあります。

おぼろげながら、オルフェーヴルが持つノーザンテーストの4x3クロスの大事さが分かって頂けたでしょうか。
紆余曲折を経て、ついにオルフェーヴルは3度目の成長を迎えたと私は考えています。
競走馬として完成したパーフェクト・オルフェーヴルが今夜見せてくれるであろう「Lady Angela魂」を噛み締めながら、凱旋門賞を観戦したいと思います。

-完-
posted by Lion at 11:17 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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