2013年09月25日

秋のダートGI戦線展望 -ハタノヴァンクールとホッコータルマエはダート界のトウショウボーイとテンポイントになり得るか-(2)

(1)よりつづき

端午ステークスから2ヶ月半、ヴァンクールは予定通り調整され、3歳のダートNo.1を決めるレース、ジャパンダートダービー(JpnI)に出走してきた。
堀厩舎の良血ストローハット、重賞4勝馬オースミハルカの息子オースミイチバン、ダービー7着、トゥザヴィクトリーの近親のクロフネ産駒トリップらが対抗馬として人気になり、、
ヴァンクールは1番人気ながらも単勝2.9倍と前走より人気を落としていた。
この馬のの強さを知っている僕は、このオッズを見て「ずいぶん舐められたものだなぁ」と思わずニヤリとしてしまった。
単勝馬券をしこたま買い、新たな3歳チャンピオンの誕生を気楽な気分で待つだけだった。

レースは予想通り、ヴァンクールが大外を回して圧倒的な力を見せつけ順当に勝利した。
上がり36.0、2着馬に付けた差は1馬身だが、着差以上に力の差があったような印象を受けた。

3歳チャンピオンとなったヴァンクールは、秋以降、古馬を相手にどこまでやれるだろうか。
そんな期待を胸に、僕はこの馬の秋以降の走りを心待ちにしていた。

ところが、4ヶ月の休養明けのヴァンクールは精彩を欠いていた。
緒戦のみやこステークス(GIII)では2番人気に支持されながらも見せ場なしの10着、GIジャパンカップダート(GI)では8着。
この二走でともに3着だったのはあのホッコータルマエで、僕の中ではヴァンクールもそれと同等以上に走ってくれるはずだった。
「こんなはずはない、何があったのだろう」と不安な気持ちに駆られた。

そうして迎えた秋三戦目・暮れの大一番、東京大賞典(GI)、ここでヴァンクールは転機を迎える。
ゲートが開いた途端、これまでのモタモタとしたとは違い、スイスイと前へ前へと進んでいくのである。
直線激しい叩き合いの末、惜しくも2番人気の上がり馬、ローマンレジェンドから半馬身差の2着に負けてしまったが、
前走ジャパンカップダート2着で1番人気に推されていたワンダーアキュートには頭差先着し、復調の兆しを見せた。

主戦の四位騎手が騎乗停止となり、代打として内田騎手が抜擢されたのが功を奏したのか、
実は叩き三走目のここが目標レースで馬の調子が良かったのか、地方の深いダートが合っているのか、
様々な憶測が飛んだが、僕にとってはそんな事はどうでもよくて、
あの強いハタノヴァンクールが帰ってきた事が、ただただ、嬉しかった。

ヴァンクールの次走は1月30日の川崎記念(GI)。
ここでも順当に力を発揮し、ワンダーアキュートを再度退けてGI二勝目。
次は恐らく、6月26日の帝王賞を目標にステップレースを使っていくんだろうなあ、と僕は予想した。

次走、3月13日のダイオライト記念(GII)では1.2倍のダントツ一番人気に推されながらも、逃げたオースミイチバンを差し損ねて2着。
その次の5月18日の平安ステークス(GIII)では59kgの斤量を背負わされていたし、ここも帝王賞の叩きだろうと見ていた。案の定、0.7秒差の5着。

そして、いざ目標レースの帝王賞。僕はハタノヴァンクールとホッコータルマエの再戦を見る為に、会社を急いで上がって大雨の中、大井競馬場へ向かった。
ハタノヴァンクールとホッコータルマエがそれぞれどんな姿で出てくるのか、パドックで見るのがとても楽しみだった。

まず、ホッコータルマエから。
ホッコータルマエは昨年のジャパンカップダートのあと、賞金を積むために月1ペースでレースに出ながら、中間もハードな調教をこなしつつ、メキメキと頭角を現していた。
GIII3連勝後、前走のかしわ記念(GI)ではエスポワールシチーを下し、ついにGIホースへと上り詰めたのだ。
パドックで見たホッコータルマエは、まさに絶好調と言った感じで、GI馬が6頭も出走するレースにも関わらず、ズバ抜けて良く見えた。
トモの筋肉がモリモリと隆起していて、まるでサイボーグみたいだと僕は感じた。

一方、ハタノヴァンクールはあまり調子が良くなさそうだった。
一言でいうと「ただの馬」になっていて、GI馬としての風格のようなものは見られなかった。
あまりにこじんまりと見えたので、少し心配になってしまったほどだ。
残念だが今日はホッコータルマエに負けるだろう、そう思って、僕はホッコータルマエの単勝だけを買った。
案の定、ホッコータルマエはGI馬5頭を相手に、真っ向勝負を挑んで見事に打ち負かしてみせた。上がり最速の完全勝利である。

悔しいが、現時点ではホッコータルマエの方が強いと言わざるを得なかった。

陣営がヴァンクールをどのように立て直してくるのか、気持ちを切り替えて僕はそれを期待することにした。
ダービー馬ディープスカイを手がけた昆厩舎のスタッフ達なら、また強いヴァンクールに仕上げてくるだろうと信じる事にしたのだ。

ハタノヴァンクールの次走には8/15のブリーダーズゴールドカップ(GII)が選ばれた。
前年の覇者かつ前年のJBCクラシック2着のシビルウォーが単勝2.0倍の1番人気で、ハタノヴァンクールは差のない2.1倍の2番人気だった。
残念ながら仕事の関係でパドック映像は見れず、レース直前に帰宅してネット中継で観戦するのが精一杯だった。
前走から2ヶ月の期間が空き、どこまで立て直してこれるのだろうかと、楽しみ半分、不安半分でハタノヴァンクールの単勝馬券を購入した。

結果から言うと、ヴァンクール陣営は見事に立て直しに成功していた。
GI2勝馬として、最も重い58kgのハンデを背負いながらも、上がり最速で2着のシビルウォーに2馬身半の差を付けて快勝したのだ。

「よし、ここからだ。秋のどこかで、チャンピオンになったホッコータルマエを倒すのはこの馬だ」と、思わずワクワクしてしまうような内容の濃いレースだった。

次にハタノヴァンクールとホッコータルマエが直接対決するのはいつになるのだろうか。
噂によると、ヴァンクールはこの後JBCクラシック(GI)に直行、ライバルのホッコータルマエは南部杯(GI)を経由してJBCへ臨む予定のようだ。

噂が本当なら、ホッコータルマエには南部杯を快勝したのち、チャンピオンとして堂々ハタノヴァンクールを迎え撃って欲しい。
ライバルというのは、強くないと盛り上がらないからだ。強ければ強いほど、打ち負かした勝者には箔がつくし、負けるとしたらなるべくこの馬に負けて欲しくないという思いがある。

ヴァンクールはJBCへの直行ローテーションだといきなりは厳しいかもしれないが、この秋のどこかのGIレースで再度ホッコータルマエを撃破して欲しい。
そして、来年以降も、テンポイントとトウショウボーイのように、互いにしのぎを削り合う名レースを繰り広げ、観客を魅了し、ダートのGI戦線を引っ張って行って欲しい。

僕は、心の底からそのように願っている。

どうか、二頭の駿馬に幸あれ。

-完-
posted by Lion at 21:13 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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