2013年08月11日

2013年東京サラブレッドクラブ募集馬 配合診断(一部のみ、随時更新)

私は今日まで血統評論家の望田潤さん(ブログ)の理論を中心とした各血統論を参考に、日本の競走馬の血統について勉強してきました。

私も既に出資しているクラブ法人、東京サラブレッドクラブの今年度募集馬の血統診断を見たいと言ってくださった方が多数いらっしゃった為、このブログで公開したいと思います。
もしこの記事に何か問題があれば、コメント欄及びtwitterまでご一報下さい。その都度ご対応させて頂きます。

診断馬は以下の20頭です。
牡馬は青色牝馬は赤色で表記しています。馬名をクリックするとnetkeibaの血統詳細へとリンクします。

サセッティ(父ディープインパクト)
母父Selkirkは、父Sharpen Up経由でハイインロー血脈を豊富に持っており、母Annie EdgeはRed Godを持っているのでサンデー系とは基本的に相性が良い。母母父Irish RiverはRiverman経由のナスキロを持ち、母Irish Starは傍流のスタミナ血統とBotany Bay経由のSwynford系血脈を2本持っている。これはディープインパクトの母母Burghclereと脈絡するので、非常に良い組み合わせと言えるだろう。サセッティの母母My Bupersはハーツクライの三代母としても有名で、Busanda経由のラトロワンヌ的米血パワーとスピードの供給源となっている。全体的に見て、スピードの持続力とパワー、機動力のバランスに優れた好配合だ。重賞を勝っても何ら不思議のない器。適性としては兄レッドセインツ同様、芝マイル〜2000mあたりが主戦場になりそうだ。

スカーレットドレス(父ディープインパクト)
母スカーレットドレスは菊花賞馬オウケンブルースリの半姉。中央未勝利後、園田へ移籍し11戦し、9-2-0-0という成績を残し、その能力の片鱗は示した。さてそのスカーレットドレスの血統だが、Northern Dancerの4x5x4、Gold Digger(Mr.Prospectorの母)の5x4クロスを持っているのが特徴だ。
ディープインパクトの母父AlzaoはLyphard×Sir Ivorという組み合わせで、これはスカーレットドレスの父父Dancing Brave(Lyphard×Drone)と非常に近しい関係にある。母父Lyphard系のディープインパクト産駒はこれまでに9頭がデビューしているが、そのうち3勝以上したのはスマートロビンとプランスデトワールの2頭だけで、
両者の共通点として母がLyphard直仔だということだ。Dancing Braveを経由した母父Lyphard系ディープ産駒の活躍馬は今のところいない。ディープインパクト自身が既にHail to ReasonとSir Ivorのニアリークロスを持っているので、そこに更にDroneを持ってきて柔らかさを強調するというのがマイナスに作用していると考えられる。
また、Gold Diggerは子孫に自身の柔らかさを伝えたので、母がその直系で尚且つそのクロスを持っているというのはあまり好意的には受け取れない。
母母父父がDeputy Ministerなので、ここからどこまで硬さを引き出して柔らかさとのバランスが取れるかがカギとなりそうだ。
適性イメージとしては芝の1600・1800mの外回りを柔らかく追い込む感じになるだろう。高速馬場向き。


マンダララ(父ディープインパクト)
母マンダララはアイルランド出身の繁殖牝馬で、その産駒にはMandesha(アルタルテ賞、ヴェルメイユ賞、オペラ賞などGI3勝含む重賞4勝)が居る。父LahibはRiverman×Cutlassという配合で、一言で表現すると「直線長いコースで一息にダーッと追い込んでくる」ような特徴を持っている。
マンダララの母父DiesisはSharpen Up×Doubly Sureという組み合わせで、Doubly SureはBurghclereとニアリーであると言っても差し支えないほど構成がよく似ている。Sharpen Upの持つ特徴についてはサセッティの項で触れたのでそちらを参考にして欲しい。マンダララの母母母MajanadaもBurghclereと似た要素を沢山持っていて、9代前まで遡るとFair Trialを計7本、Blandfordを計9本も持っている計算になる。
ディープインパクトとの組み合わせで考えると、やはり鈍重な印象は拭いきれず、母の産駒が全て晩成傾向な事も手の出しにくさに拍車をかけている。
ベストは東京2400mだが、牝馬なだけに番組選びに苦労しそうだ…。個人的な好みで言えば、半姉のレッドシェリール(父ゼンノロブロイ)の方がバランスが良く日本向けに思える。


エリモピクシー(父ディープインパクト)
ご存知リディル、クラレント、レッドアリオンの下。上は全て重賞勝ち負けクラスで優秀な繁殖としてPOGなどでも人気の血統だが、父がディープインパクトに変わってどうか。
スカーレットドレスの項でも触れたがDancing Brave≒Alzaoクロスは必要以上に柔らかくなってしまう恐れがある。エリモピクシーの母エリモシューティングはNearco4x4x6を持つのでこれも柔らかさの勝った繁殖だろう。
配合的にはリスクが大きく、募集価格の高さを考えると、非常に危うい一頭に見えるが…。母のポテンシャルでどこまで頑張れるか。これも兄弟同様、芝の1400〜1800mあたりが主戦場になるだろう。


フェルメールブルー(父ディープインパクト)
フェルメールブルーの母ノースフライトは、スピードの持続力を武器に2つのマイルGIを制した。繁殖牝馬としてもミスキャスト(天皇賞(春)勝ち馬ビートブラックの父)を輩出している。
そのノースフライトにノーザンテーストを父として迎えたフェルメールブルーは、基本的に高速スピードの持続力に優れたタイプと見て良いだろう。自身は現役時代ダートの逃げ先行馬として3勝を挙げたが、本質的には芝向けの配合である。
種牡馬としてのディープインパクトは母方の特性をそのまま素直に出す傾向がある為、当馬も東京や京都などの芝マイルで先行し粘る競馬がベストだろう。過去の活躍馬で言うとトーセンホマレボシに近いタイプ。
最後に一言付け加えておくと、おそらくこの牝系でこの配合なので晩成気味になりそうだ。なので、2月生まれなのはプラス。

マウントコブラ(父ディープインパクト)
母マウントコブラの父Mt. LivermoreはBlushing Groom×Flama Ardienteという配合。Blusshing Groomはその母父Wild Riskの激気性を強く受け継いでいる事で有名で、狂気の血と形容される事もある。
Flama Ardienteは米血的なスピードとパワーに特化した血統構成だ。そんなMt.Livermoreの代表産駒と言えばマイネルモルゲンで、父譲りのスピードを武器に重賞を3勝した。
母母Koblaは軽い血とスタミナ・底力を伝える血をバランス良く持っているが、この組み合わせだと恐らくやや一本調子に先行して粘るような競馬ぶりになるだろう。
主張がかなり強い母系なので、何を種付けしてもスピードに物を言わせて前へ行く競馬しか出来ない産駒が生まれそうだというのが正直な感想だ。
父がディープインパクトであるというメリットは特に感じないが、最低限のスピードの担保はあるので、早期からの活躍・勝ちあがりという意味では堅実だろう。
適性は1000〜1400mといったところだろうか。内回りならマイルも辛うじてこなすかもしれない。


アイシーサイレンス(父キングカメハメハ)
母母母シャダイアイバーはオークス馬、母母アイシーゴーグルはエアジハード(マイルGI二勝)の名門一族で、この牝系は日本で大きく成功していると言っても差し支えないだろう。
母アイシーサイレンスの血統構成について触れると、サンデー×ロイヤルスキー×ノーザンテーストの組み合わせは女傑ダイワスカーレットと同じ。
持ったままフワッと先行して押し切る競馬がピッタリで、軽さが売りの好配合だ。
主な活躍の場は芝のマイル前後だろうが、ダートをこなせるだけの血統的な余地も持ち合わせている。

ヒカルラフィーネ(父ステイゴールド)
ドリームジャーニー・オルフェーヴル・リヤンドファミユ兄弟、ゴールドシップ、フェイトフルウォーらの目覚ましい活躍で一躍注目を浴びた「ステイゴールド×メジロマックイーン配合」の牡馬。
母ヒカルラフィーネは未勝利だがその母母Shoot a Lineは愛オークス、英ヨークシャーオークスなどを制し、孫としてThunder Gulch、Battle Lineを輩出しており、当馬のいとこにあたるフラガラッハは中京記念を連覇しているなど、秘めたポテンシャルは高い。
「ステイゴールド×メジロマックイーン×ノーザンダンサー系の牡馬」に限ると、これまでJRAでデビューした5頭のうち4頭が重賞を複数勝ち、その4頭だけで重賞を計24勝、うちGI12勝と驚異的な成績を残している。
この配合についての考察は既に沢山の先人が行なっているのでそちらを見て頂くとして、当記事では母ヒカルラフィーネの母ザスキートについて考察したい。
ザスキートはNureyev×High Line×Tamerlaneという配合で、いずれの種牡馬も欧州的なスタミナに優れた血統構成をしている。
これは父ステイゴールドの母ゴールデンサッシュ(サッカーボーイ全妹)、メジロマックイーンが持つ傍流の血と親和性が高く、ステイゴールド×メジロマックイーン配合の長所を増幅した形になっている。
POGなどでも人気する事は必至で、今年度の東京サラブレッドクラブ募集馬全体、いや、2012年産まれ世代全体を通しても屈指の好配合馬であると言わざるを得ない。
適性としては芝の2000m〜2500mを主戦場としそうで、菊花賞や天皇賞(春)の長丁場も折り合い次第ではこなすだろう。

オレンジパラダイス(父ステイゴールド)
エリシオ×トニービン×ノーザンテースト×デルタジャッジの牝馬というだけで既に食指が動きません…。
これがまだ牡馬ならステイヤーとして素質が開花する可能性もあるのですが、牝馬となると…。

スタイルリスティック(父ステイゴールド)
ステイゴールドはNijinsky持ち牝馬ともなかなか相性が良い(ダイナサッシュの父ノーザンテーストを増幅する為)のですが、そのNijinskyとニアリーなStorm Bird系繁殖との組み合わせではなぜかイマイチ成績を残すことが出来ていません。
その他の部分もステイゴールドとの組み合わせにおいて特別良さを発揮すると思えず…。
世間的な人気ほどは走らないのではないでしょうか。
この馬の上はTom Rolfe的要素が強く出ているので内回りのやや短いところ(内1400m〜1600?)あたりでとりあえず卸してみては如何でしょうか。

セイランクイーン(父ステイゴールド)
ステイゴールド×メジロマックイーン配合の牝馬。
この配合の忘れてはいけないもう一つのポイントとして、頑強さ(Lady Angela)を補う事が必要だということ。
Aureoleの5x6やリマンドの3x3など面白い要素を持つが肝心な頑強さがやや足りない印象でひと押しが足りないか。
距離適性としてはマイルより長めが良さそう。前受け配合。

アグネスラズベリ(父ダイワメジャー)
ダイワメジャー産駒の有名な成功パターンとして、Halo的な血を入れて柔らかくするというものがある。
この馬の配合の場合母父エアジハードの母母シャダイアイバーや母母アグネスミネルバのトニービン、Nureyev経由のハイインロー的な血が強く実馬も硬めに出そう。
適性的には芝の1200〜1400mだろう。近親のパドトロワより更に体質的に硬い印象。

ダンシングエディ(父ゼンノロブロイ)
父ゼンノロブロイは欧州的なスタミナ血脈をほとんど持たないので母方から欧的スタミナ血脈を補う事で成功している産駒が多い。当馬の場合Moscow Ballet経由でNijinsky、Millicentなどを持ち、第一関門はクリアしている。
母母Duchess of Ackに目を向けるとSlewpy経由でナスキロ血脈を受け継いでおり、ここがMillcentと脈絡するのは高ポイント。
東京競馬場の1800mで柔らかくストライドを伸ばして追い込むような競馬が合うだろう。

レックスレイノス(父ゼンノロブロイ)
母父Intikhabは女傑Snow Fairyの父として有名で、ゼンノロブロイ×Roberto系という括りで見るとマカニビスティーやノーステアなどがいる。
この2頭を見ると中長距離に適性を見出すことが出来そうだ。
血統表全体を見た上で両者との比較で言えば、どちらかと言えばノーステアに近いタイプと言えそう。
Buckpasserの5x5x6クロスが特徴的で、前足で力強く掻き込むような印象的な走りになるだろう。

サヤカ
母サヤカはBold Rulerの5x4x4という配合で、その母What CharismaはMan o'War5x5だから、ダート色の強い配合だ。
ダートの中距離で軽いスピードで先行する競馬をイメージするのは想像に難くない。
やや底力に欠ける面があり、上級条件でペースが速くなってどうか、という懸念はある。

ラピーダシャリナ
タイキシャトル産駒の成功パターンは、1にCaerleonを増幅する事、2にHaloを増幅する事、最後にスタミナの塊をぶつける事。
当馬は2に該当するが、これだけでは強くは推せない。
芝ダは問わず、1400〜1600mが主戦場となりそうだ。

アルレシャ(父King's Best)
母アルレシャは未勝利だが全妹Bethrahが愛1000ギニーを勝利しており、母Reve d'Imanはレーヴドスカーの全姉妹、父Marjuはマルセリーナ・グランデッツァ姉弟の母父として既に日本で結果を出しており、日本への適性は十分。
配合的な裏付けは十分だが、実馬を見るとどう見ても小柄で、肘の付き方も不自然、トモも貧弱で初仔の牝馬と来るとどうしても体質的なリスクが付きまとうだろう。
カタログを見るまでは出資候補の一頭だったが、実馬を見て私は出資を諦めた。


スープリムゴディス(父キングカメハメハ)
リルダヴァルの甥でディープインパクトの近親にあたる牝系。
キングカメハメハは相手牝馬の持つ特性をそのまま引き出すようなところがあり、Nureyevのクロスが発生している当馬は内回り向きのパワー型に出るだろう。
芝ダート兼用タイプだがややダート寄りか。適距離は1800m前後。

カロンセギュール(父ゼンノロブロイ)
米血に偏重気味な父ゼンノロブロイは欧州的な血に飢えているが、当馬の母カロンセギュールの血統は母母父の代まで遡ってようやく欧血に出会えるという肌馬。この組み合わせだと明らかにパワーが勝っているので、適性としてはダートの1800m前後に落ち着きそうだ。

シーズアン(父ネオユニヴァース)
ネオユニヴァースはサンデー系種牡馬としては異端で、父譲りの切れ味ではなく母似の粘りとドロ斬れを武器とした馬だった。
成功した産駒は概ね、Haloを弄って機動力を確保しつつスタミナ血脈を注入している。
ロジユニヴァースのダービーやヴィクトワールピサの有馬記念はまさにそういった設計図通りのレースだったと言えよう。
さて当馬の配合だが、Turn-to5x6にHalo≒Red God3x4を持つので機動力は十分、母父母母Balsamiqueと母母母Cafe Au Laitにはスタミナ血脈の塊が詰め込まれており、
ネオユニヴァース産駒の成功パターンをきっちりと抑えている好配合。イタリアンレッドで実績のある石坂厩舎預託予定というのも面白いだろう。オススメの一頭。
posted by Lion at 00:51 | Comment(2) | 一口 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめてコメントさせていただきます、レプティリアと申します^^
東サラとシルクで一口をやっております。今年も募集の季節がやってきて、
いろんな方の募集馬分析を詠ませていただいてるのですが、
Lionさんの記事も興味深く拝見しましたm(_ _)m
今年はステイ産駒が目立ちますね。僕は去年、
スタイルリスティック11に出資したので、
今年も厩舎もいいし、行きたい気持ちがあります。
一方、ヒカルラフィーネはあの黄金配合の牡馬であり、
今年は全体でも6頭しかおりませんので、今後
出資できる可能性も低いかもしれないという思いから
2頭で迷っております。Lionさんの分析を読む限り、
やはりヒカルラフィーネのほうが良さそうですね(^_^)v
今SS系との間で流行りのストームキャットは、
サンプルが少ないとはいえ、ステゴに合わないと思っていたので(^_^;)
ヒカルは先行で埋まるでしょうか?埋まらなければ、様子見したいのですが…。
スタイルは確実に満口になるでしょうね(>_<)
これからもお邪魔するかと思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m




Posted by レプティリア at 2013年08月19日 22:30
レプティリアさま
はじめまして、Lionです。
日頃コメント欄をチェックする癖がついていないもので、返信が遅くなってしまい申し訳ございません。
個人的にはステゴ×ストームキャットはあまり相性が良くないというイメージです。
ストームキャットと相性のいい種牡馬といえば、タイキシャトル、マンハッタンカフェ、ディープインパクト、キングカメハメハなどが想起されますね。

スタイルリスティックもヒカルラフィーネも先行で満口になってしまいましたね。。
残念ながら僕は落選してしまいました。

こちらこそ、今後とも宜しくお願いします。
Posted by Lion at 2013年09月25日 20:56
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